-心的外傷後ストレス障害(PTSD)に有効な「眼球運動による脱感作と再処理治療」-


心的外傷後ストレス障害(PTSD)に有効な「眼球運動による脱感作と再処理治療」

心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、自分や他人が危うく死ぬ、あるいは重傷を負うような出来事を体験、目撃したことが心の傷となって起こります。悪夢やフラッシュバック、意欲の低下、不眠などが1か月以上続き、社会生活に支障が出るとPTSDと診断されます。

特効薬はなく、抗うつ薬などで症状を軽くしたり、カウンセリングを受けたりして癒えるのを待ちます。しかし、フラッシュバックの苦痛などに耐えきれず、自殺するケースもあります。

近年、治療法として注目されているのが、1989年に米国で生まれた眼球運動を利用した「眼球運動による脱感作と再処理治療」(EMDR)です。欧米では、すでにPTSDの有効な治療と認められ、広く行われています。


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眼球運動による脱感作と再処理治療(EMDR)

医師や臨床心理士らは、患者の心理状態を見極めながら、外傷の原因となった事件や事故を振り返ってもらいます。交通事故や暴行、地震などの場面を生々しく思い出した患者は、恐怖に身を硬くしたり、呼吸が速くなったりします。

医師らは、そのタイミングで1秒に2往復程度の速さで腕を左右に振り、患者に指先を目で追ってもらいます。1セット25~30往復続けます。「どんなイメージが浮かびますか」などと尋ねながら連想を促し、60~90分の治療中に数セット~数十セット繰り返すと、恐怖が薄らいでいきます。

米国などの複数の報告では、治療を数回受けたPTSD患者の84~90%で症状が治まりました。兵庫教育大教授(臨床心理士)の市井雅哉さんは「治療開始が遅れると難航しますが、一度きりの恐怖体験なら数回の治療で克服できることが多いです」と話します。

眼球運動による脱感作と再処理治療の効果

交通事故で重傷を負った男性は、最初、猛スピードで近づく車が浮かんびましたが、眼球運動を繰り返すうちに速度が遅くなり、小さくなって消えました。猛犬に襲われた女性は、イメージが鎖につながれた犬に変わり、最後はぬいぐるみになりました。

なぜ効果があるのか、まだ解明されていませんが、市井さんは「脳がレム睡眠時のような状態になるためではないか」と話します。

眼球が小刻みに動き、夢を見るレム睡眠中は、記憶の整理や取捨選択が行われます。しかし、強い恐怖体験はすぐに処理できず、頭の片隅に生々しいイメージとして残ってしまいます。

治療は、眼球運動で脳にレム睡眠中と似た活動を起こさせ、記憶の整理を促すと考えられています。訓練を受けた医師、臨床心理士の名前や勤務先、技術レベルなどは、「日本EMDR学会」のホームページで調べられます。保険がきかないため、1回1万円前後かかることもあります。


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